奨学金を借りてよかったと思っている話

私は大学時代に奨学金を借りていた。

トータルで400万ちょっとの金額である。

当時(10年以上前)学生であったの自分にとっては決して低い金額ではない。

それでも、このお金は自分にとって、生きていくための希望の光だった。

大学1年生の時に奨学金を借りる手続きをした際の私は、『これからの大学4年間はしっかりと勉強をし、卒業後は奨学金の返済にも困らないよう、(そこそこ給与も高そうな)大手企業に必ず入るのだ』という覚悟を持っていた。

結果としては当初予定していた返済期間である20年よりも大幅に前出しをし、卒業後10年弱で完済をする事が出来た。これは就職先が、そこそこ給料の貰える大手企業がだったということもあるだろうが、そこに就職が出来たのはまぎれもなく大学生活を充実して送ることができたからだと思っている。また学生時代に学んだ学問は今の仕事でも十分に活きている(というか活かせそうな道を進んできた)。そして大学の学科・サークルでは今でも会って人生を語りあう事が出来るような素晴らしい仲間と出会う事ができた。

ものにもよるが奨学金の資金使途(お金の使い道)は基本的には学費そのもの(入学金・授業料等)には限定されていないものが多く、広義で学業を継続する為に必要となる資金(例えば生活費や一人暮らしに必要なお金等)に充てる事が可能である。(気になる場合は、奨学金を借りる際に内容を確認してみよう。)

これらはもちろん裕福な家庭に生まれている人や、家庭環境に悩みもなく勉強に集中できる人であれば特段気にかける必要のない制度である。

しかし、大学に行きたいと考えているにも関らず自身の家庭の事情で進学を悩んでいるという方、また進学は可能であるものの家庭環境等で悩みがある人は検討してみてはいかがだろうか。(なお学生向けのローンについては様々なものがあるが、基本的には進学先の大学が推奨しているもの(日本学生支援機構がやっているものであったり、大学自体が設けている奨学金制度)を利用する事をお勧めする。)

私の場合も決して裕福な家庭ではなかったため奨学金を借りることにしたが、私の場合は学校で必要となる教材等だけでなく、大学の近くに一人暮らしをするための生活費(家賃・光熱費・食費等)にも充てることにした。決して実家から大学に通えなかったわけではないが、大学の近くに住んだほうがより大学生活に集中が出来ると考えたからである。ただ、奨学金だけでは日々生活で必要となるお金が足りる訳では無かった為、アルバイトもセットでやっていた。

前述の通りではあるが、私にとってはこれがとても良い選択であった。

実家を出て一人暮らしをする事で大学生活にフルコミットが出来た。家を離れ大学の勉強に励み、多くの素敵な友人と出会うことができた。勉強とアルバイトをしながらもサークル活動も全力で楽しむ事ができた。

率直に言うと私は育った家庭環境が良くなかった為、もし実家通いを続けていれば多くのストレスを抱えながら学業に励まねばならなかっただろう。加えて、実家からであれば大学への通学時間もそれなりにかかっていたため、どうしても一日の時間が物理的に削られてしまう事になったと思う。そうなると、上述の様な大学生活のフルコミットは難しかったと思う。以上を踏まえると私にとって大学時代の一人暮らしは様々な点でメリットがあった。

ここまでは良い点ばかりを書いてきたように思うが、奨学金を借りる際にはセットでお伝えしたいことがある。

それは奨学金を借りて進学をするのであれば、学生時代は必ず勉強を頑張ること。そしてその後の自分の人生を必ず豊かにするのだという強い覚悟を持って学生生活を送った方がよいということだ。言い換えれば、『奨学金を借りて良かった!』と後々思えるような人生を送れるように努力をしようとも言える。

加えて、大学時代の多様な仲間との出会いを大切にし、そして色々なことに挑戦する事(これは部活でもサークルでもその他なんでもよいと思う)もお勧めしたい。これらは結局その後の人生(何も就職活動だけでなく)において自分に返ってくるものだと考える。

そもそも大学は勉強をしに行く場所であるのだから、一点目の勉学に励むという事は言わずもがなではあるが、特に目的意識がなく勉強も頑張らない学生がいるという事も聞いたりするので念のため書かせて頂いた。

将来自分が何をやりたいかという事までは決まってなくてもよいが、少なくとも自分が選択した進路である以上は、その道(進学した大学の学問)で必死で頑張って、学んだ事を自分のものにするという気概はマストであると考える。逆にその気概を持てないのであれば奨学金を借りることはお勧めしない。

そのような人は、いつか返済時に奨学金借りた事を後悔することにもなりかねないと思うからだ。

大学生活で必ず何かを得るのだという強い覚悟を持った人にとっては、非常に強い武器というかツールとなるものが奨学金であると考える。

ここまで色々と書いてきたが、これらはあくまで私の一意見であるという事も付け加えておきたい。最終的に自分の人生の選択は自分で決めるものである。また、奨学金は借金であることに変わりない。また、私は一人暮らしの生活費分も含めて借りていたので、返済額もそれなりに大きな金額となった。

お金を借りるのであれば、絶対にその後の人生でしっかりと稼いで返すのだという強い覚悟を持つべきであるという事は念を押しておきたい。

ただ、そのような選択肢があるという事、またそれを利用して良かったと思う人がいるという事を知ってもらうきっかけになればよいと思って本記事を書いた次第である。もちろん中には借りて後悔したという人もいると思う。YouTubeやブログを見るとそういう人の声も挙がっているので、様々な声を参考にしたうえで、最後に自分の考えや判断軸と照らして決断をすればよいと思う。

改めて、私は奨学金を借りて本当によかったと思っているし、その後の人生でそれ(借りた奨学金)以上のリターンが十分にあったと思っている。